narrative voyage ~旅と今ここを見つめて

多様な世界を感じるままに。人が大切な記憶とつながっていくために。

March Review ~動いてみたら思い出した大切なこと。

 

変わりやすい天気のせいか、最近久々に腰痛発症。

でも先週は、行ってみたかった “ガイドヘルパー相談会”へ―――

 

相談会は、不足しているガイドヘルパーのなり手を募るため、隣町の移動支援事業所さんが開催。

障害のある人たちの外出を支援するガイドヘルパーには、大きく3種類、このような資格がある。

①同行援護従業者(視覚障害ガイドヘルパー
行動援護従事者(知的・精神障害者ガイドヘルパー
③全身性障害者ガイドヘルパー

 

私は②と③が気になっての相談。

②の行動援護は、知的障害のある人だけでなく、精神障害の人の外出支援も可能、ということで、最近関心が出てきた。

③の全身性は、車椅子のユーザーなど身体障害のある人の支援。昨年研修に申込みしながら、コロナで参加できずキャンセルしたままとなっている。

 

今回の相談会を開催された事業所さんでは、利用者層は知的の人がメインで、精神の人もいる、ということ。業界全体としても、②の行動援護のほうが、③の全身性より需要が高いと思われる、とのこと。

 

もし資格を取って仕事をした場合の、外出支援の様子や、外出計画の例、シフトの入れ方、などなど疑問にも細かく答えていただけた。

 

来週末にも、②の行動援護従事者養成研修があるので、よかったら参加してはどうでしょう、3日間で取れますよ、と穏やかにおすすめいただいた。

じゃあ研修を受けます、とは即答できなかったが、来てみて良かった…!
ずっと疑問だった②の資格と仕事について、そのフィールドの人に直に話が聴けてすっきりした。

 

そして、こうして文章にしてみて気づいたことがある。

私が②の研修受講を即決できない理由は、腰痛で長時間の座学が難しいだけではなかった―――

 

身体障害の支援にあたる、③の全身性障害ガイドヘルパーを考える時は、必ず、自分の思い出が伴っていた。

晩年車椅子ユーザーとなった母と祖母の、時々の外出や通院介助をしてきたこと。

来日した車椅子の友人の都内巡りを手伝ったこと。

 

彼女たちの困り事や望み。それを私がすべて解決できたり、実現できたりしたわけではない。

でも、私はひたすら車椅子を押し、目的地に共に行くことで、本人だけでは行かれないかもしれない、でもどうしても行きたい場所、必要な所へ案内することの大切さと充実感を、教えてもらったのだった。

 

人がずっと見たかった景色を自分の目で見に行く、
その手伝いがまたできたら、と思った昨年の春の日―――

あの日は、思いがけない最近の北風で固まった私に、“まだできることがある”と、再び太陽のように呼びかけているのかもしれず。

 

まずは自分の腰痛が治ってからの話になりそうだし、体力勝負の移動支援をどれだけできるか不安もある。これ一本で生計が立つようにも思えないが―――

旅や移動を通して人の希望や願いを叶えていく仕事は、何だか自分にも希望がめぐってくる、循環型の一つかもしれない。

 

ガイドヘルパー相談会では、精神障害のある方々の制作したアクセサリーが販売されていた。

私がこの半年あまりやってきた仕事は終わろうとしており、その仕事も精神の人たちのアート支援だった。次の仕事は何も決めていないが、どうなるだろう。

 

動いてみたらわかったこと、思い出したことがあった3月の昼下がり。

自分らしい色のピアスを迷わず買って、一歩外に踏み出すと、空は来た時よりもずっと明るくなっていた。

 

実際の色はもう少しパープル寄り…!