narrative voyage ~旅と今ここを見つめて

多様な世界を感じるままに。人が大切な記憶とつながっていくために。

Spring 2024~近況と、いまここにあるもの。

 

この春、めぐってきた岐路。


前回2回の投稿のように、仕事自体には出会いや発見が多く―――

アートを通した障害のある人たちの支援事業ということもあり、作家である利用者さんたちとの、日々の交流は言葉で表せないほどのギフトでした。

 

そんな職場で今年に入って露呈した問題が、私にとってなかなか相いれないものと分かりました。

この数ヶ月、気持ちが休まらず、不眠や耳のけいれんなど、自分ではコントロールできないことが起き始めました。

頭では仕事を続けられる方法を模索していたものの、自分の心身はブレーキをかけていたのかもしれません。

 

長い目で見れば、職場の問題も改善に向かうのかもしれない。

(利用者さんたちとの問題ではなかったことは、明記したいと思います)

だけど、それを待つだけ自分自身に踏みとどまる力も、職場の中に踏みとどまらせるものも、正直見つけられず―――

 

それ以上に感じたのは、家でもコミュニケーション問題がある中で、職場でも同様の問題をやり過ごすのは、本来しなくていい“我慢”以外の何物でもない、ということ。

 

私が自分の生活の中で、社会の中であってほしいと願い続けているのは、やはり人と人との対話だから。

その人がその人らしく、自分を表現できる場だから―――

 

つらい時間でしたが、それに気づかせてもらったこの数ヶ月に感謝しつつ、3月末で職場を去ることにしました。

 

いま、ここにあるものは

数年ぶりに戻れて、これからも関わると思っていた、障害のある人たちのアート活動支援。

今の時点では、手術がうまくいかず、心拍数がフラットになってしまった患者のようで―――

 

仕事としてまた障害×アートの世界を探索するか、全く関係ないところに踏み込むかわからないのですが。

学び的なことでやってみたいことはいくつかあるので、楽しんでいけそうなことからやっていければと思います。

 

まずは読書。

本は90%以上、積読の人間ですが、読みたい本に現在の関心とこれからのヒントが詰まっているのではないかと。

 

最近買ったのがこちらの3冊。

 

①「セラピスト」 最相葉月

私には結構手ごわい厚さの本ですが、通りがかりの古書店で、タイトルと装丁デザインに惹かれて購入。

買った当日、新聞に、能登地震での心のケアのあり方について、精神科医中井久夫先生の言葉が掲載されたのですが、寄稿したのがなんと、本書著者の最相さんでした…!

勝手にご縁を感じて、読み進めているところですが、あくなき情熱を持ちながらも冷静さを欠かない、プロフェッショナルな視点と文章に引き込まれます。

 

②「アフガンの息子」 エーリン・ペーション

スウェーデンの難民収容施設で勤め始めた若い職員が出会った、アフガニスタンの少年たちの姿。

北欧の福祉への昔からの憧れと、タリバン復権以降、アフガンの子どもたちが気になりながらも、現地語の勉強もろくに続かなかった反省が入り混じって購入。

ドラゴンタトゥーの女」シリーズの翻訳者、ヘレンハルメ美穂さんによる訳。スウェーデン語は世界での話者数、学習者数が少ないとはいえ、この言語といえばこの人、という存在になっているのはすごい。

 

③「努力をやめるノート」 ジョイ石井

日常のメモやスケジュール帳でも、自分の気持ちがうまく書き出せている気がしないこの頃。

このブログを書くにあたっても、これからの自分を考える上でも、何か書きながら行動に生かしていきたい、と思っていたところ発見しました。

”習慣化”も楽にできたら、本当にありがたく、楽しみな本です。

まずは読まないと、ですね…!